巻子の言霊 愛と命を紡いだ、ある夫婦の物語

巻子の言霊 愛と命を紡いだ、ある夫婦の物語

マキコノコトダマ

ある日突然、最愛の妻が交通事故の被害者に……。
全身麻痺となった妻が、唯一動く瞼を使って綴った言葉は、
「こ ろ し て く だ さ い」
妻の悲痛な思いに、夫は全身を震わせた――。
「真の愛情とは?」
「献身とは?」
「犯罪被害者にとって赦しとは?」
「一瞬の事故によって、いったいどれほど多くの人たちの人生が狂わされ、その裏側にどれほどの苦痛が埋もれていることだろう。そして、人生の中に、ある日突然耐え難い試練が襲ってきたとき、人はそれをどう乗り越え、どう生き抜いて行くべきなのか……」(本文より)。
 強い愛情で結ばれた夫婦の軌跡を通じて、「尊厳死」「老老介護」「医療制度」といった「命」の問題、「矛盾に満ちた保険制度」、「軽すぎる刑事罰」といった交通事故被害者の抱える問題を描く。


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書誌情報

紙版

発売日

2010年07月02日

ISBN

9784062950626

判型

四六

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

ページ数

222ページ

著者紹介

著: 柳原 三佳(ヤナギハラ ミカ)

(やなぎはら・みか) ジャーナリスト・ノンフィクション作家。 コピーライター、バイク雑誌の編集記者を経てジャーナリストとして独立。交通事故、司法問題等をテーマに執筆や講演活動を行う。「週刊朝日」などに連載した告発ルポをきっかけに自賠責制度の大改定につながったことも。2004年からは死因究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じてきた。著書に「交通事故被害者は二度泣かされる」「自動車保険の落とし穴」「死因究明~葬られた真実」「焼かれる前に語れ」「交通事故鑑定人」「裁判官を信じるな」など多数。実父を医療過誤で亡くし、自らも医療過誤被害を受けた経験があり、現在は医療問題にも精力的に取り組んでいる。