
アンコ-ル・ワット
アンコール・ワットダイガラントブンメイノナゾ
- 著: 石澤 良昭

インドシナ半島の中央に次々と巨大な寺院を完成させたアンコール王朝。建造に費した年月は? 回廊に描かれた物語とは? なぜ密林に埋もれたのか? 遺跡研究の第1人者がカンボジア史を辿りながら東南アジア最大の謎に迫る。
アンコール王朝誕生――アンコール遺跡群は、壮大で、しかも建築装飾の素晴らしい建造物ばかりである……。訪れる人たちは、並はずれて強大な王権が存続し、王はこれらすべての建造物をつくりだした最高責任者であったと想像してきたにちがいない……。だがしかし、実際の歴史をひもといていくと、それはまったく異なる史実が判明するのである。アンコール朝の長い歴史上においては、実力のある王が次々と登位し、その王座を必死に守ろうとして、命を落とすこともあったという史実がわかっている……。新都城の造営の理由は、王の単なる虚栄心からではなく、王たる者が神から授けられた崇高な使命を遂行し、王権の確立を都城造営の形で見せる必要があったからに他ならない。――本書より
- 前巻
- 次巻
目次
●カンボジア人は「稲田の民」
●アンコール王朝誕生
●天空の都城とその宇宙観
●浮き彫りが伝える11世紀の人々の生活
●女神たちの衣裳と表情
●戦争と侵略と混乱
●すべての道はアンコールへ
●中国人が見た13世紀末のアンコール社会
●中央行政制度
●アンリ・ムオの再発見とフランス極東学院
書誌情報
紙版
発売日
1996年03月19日
ISBN
9784061492950
判型
新書
価格
定価:694円(本体631円)
通巻番号
1295
ページ数
216ページ
シリーズ
講談社現代新書