精神分析

精神分析

セイシンブンセキ

講談社学術文庫

本書は、「甘え」理論で国際的に知られる著者が、精神分析の理論と実際を体系的に概説した書である。それまでの研究成果を初めて一気に書き下ろした処女作である点で重要なばかりでなく、精神分析の全体像をふつうの日本語の表現を手がかりに展開している点が局めて独創的である。しまりや・すまない・こだわる・とりいる等の日常語を分析しながら独自の世界を形成し、やがてその延長上に豊饒な「甘え」理論を開花させることになる。


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目次

1 心理学としての精神分析
  1.無意識
    1.無意識の存在
    2.無意識の内容
  2.自由連想法
    1.自由連想の性質
    2.自由連想の方法
    3.自由連想法の根拠
  3.精神の構造とダイナミックス
    1.イド(エス)
    2.自我
    3.超自我
    4.精神的エネルギーの変遷と配分
    5.意識・無意識・前意識
  4.精神の発達段階
    1.口唇期
    2.肛門期
    3.男根期
    4.性器期
  5.不安と防衛機制
    1.不安の問題
    2.防衛と適応
    3.防衛機制
  6.夢
    1.夢の機能
    2.夢の特質
    3.夢の思考過程
    4.夢の解釈と無意識
  7.象徴的過程
    1.象徴とは何か
    2.象徴的過程の起源と分化
    3.象徴的過程の障害
2 精神病理としての精神分析
  8.病状論
    1.退行と固定
    2.自我疎外性と自我新和性
    3.病状と不安
    4.疾病利得の観念
  9.神経症
    1.転換ヒステリー
    2.恐怖症
    3.強迫神経症
    4.植物神経症
    5.性格神経症
    6.異常性欲
  10 精神病
3 療法としての精神分析
  11.精神分析の療法
    1.退行と解釈
    2.転移と対抗転移
  12.精神分析と精神療法
    1.分析療法の批判
    2.治療関係の性質
  13.精神分析諸分派の学説と療法
    1.アドラー学派
    2.ユング学派
    3.ランク学派
    4.ホルナイ学派
    5.フロム学派
    6.サリヴァン学派
   

書誌情報

紙版

発売日

1988年11月07日

ISBN

9784061588516

判型

A6

価格

定価:1,155円(本体1,050円)

通巻番号

851

ページ数

324ページ

シリーズ

講談社学術文庫

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