
密教の哲学
ミッキョウノテツガク

人の心の深淵に眼をひらき、そこで成就される個と全との神秘的な合一に、初めて確かな洞察を向け、それを全身的に把握する実践と儀礼の体系をつくり上げた密教――。本書は、空海が体系化した教学を中心に、密教のもつ世界観・認識論・実践哲学・仏陀論などの基本的な構造を明らかにした。2000年に及ぶインド仏教の歴史全体の結実であり、また、仏教伝播の総決算ともいわれるその神秘思想に迫る。
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目次
1 密教とは
1.密教の定義
2.日本密教の歴史上の位置
2 密教の形而上学――阿字・六大の哲学
1.密教の形而上学
2.阿字の哲学
3.六大の哲学
3 密教の認識論――マンダラの哲学
1.マンダラの定義
2.マンダラの基本構造
3.マンダラ表現の種類
4.マンダラの内容――密教の認識論
4 密教の仏陀観
1.歴史的仏陀との訣別
2.大日如来の成立
3.大日思想の発展
5 密教の実践哲学――三密と戒
1.三密論
2.密教の戒律――三昧耶戒(さんまやかい)
6 密教の周辺
1.密教と浄土教
2.信と菩提心
3.修行と成仏
書誌情報
紙版
発売日
1989年07月05日
ISBN
9784061588844
判型
A6
価格
定価:1,210円(本体1,100円)
通巻番号
884
ページ数
340ページ
シリーズ
講談社学術文庫