
ユングとキリスト教
ユングトキリストキョウ

精神医学者として著名なユングはすぐれた思想家でもあった。中心的課題を西洋精神の本質の追究におく彼は手懸りをキリスト教精神史に求め、原始キリスト教の成立過程、グノーシス主義の影響等を深層心理学的見地から再検討し、従来看過されてきた重大な問題点を見出した。ユングの思索を追うことにより、キリスト教における正統信仰確立過程で切り捨てられてきた影の領域の復権を迫る意欲的論考。
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目次
●序論 ユング心理学と宗教経験の世界
1 ユングにおける体験と思想形成
2 深層心理学のキリスト教批判
3 内なるたましいの世界へ
●第1章 原始キリスト教
1 予言者思想の崩壊
2 ヘレニズムとヘブライズムの間
3 新約的人間観の問題点
●第2章 グノーシス主義
1 キリスト教とグノーシス主義
2 グノーシス的宇宙観と人間観
3 キリスト教教義の深層心理学的考察
●第3章 正統の異端
1 三位一体論の形成
2 三位一体論における神性と人間性
3 正統と異端の分岐点
●結び 西洋精神史の光と影
書誌情報
紙版
発売日
1996年09月10日
ISBN
9784061592476
判型
A6
価格
定価:1,320円(本体1,200円)
通巻番号
1247
ページ数
386ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
1978年3月、人文書院から刊行
著者紹介
解説: 関根 清三(セキネ セイゾウ)