清国文明記

清国文明記

シンコクブンメイキ

講談社学術文庫

儒教精神が息づく清朝末期の中国を歩く

清王朝末期、儒教精神と伝統が息づく古き佳き中国。漢学の泰斗が、少壮時、留学先から両親に手紙を綴る。対聯(ついれん)、飛鳥技(ひちょうぎ)、辻々の物売りなど庶民の生活の様子や迎春の準備、上元節、打鬼(タークイ)などの四時の行事も紹介。また、雍和宮、十三陵、万里の長城といった名勝や曲阜(きょくふ)、長安、蘇州などの儒教ゆかりの史蹟・陵墓を歴訪。漢文調の流麗な名文で辛亥革命直前の中国が髣髴と甦る。

【曲阜聖廟】 廟庭の中央に杏壇がある。孔夫子道を説き給いし処と称す。……歩して東階より上る。大成殿は輪焉たり奐焉たり、荘厳典雅を極む。楣間に扁額あり、題して生民未有と云う。鞠躬如として堂に上れば、見よ正面には聖人在せり。王冠を戴き袞龍の御衣を着して端座し給い、眉目の間には無限の仁愛を表わし、口には笑みを含み、循々として教えを垂れ給うが如し。――<本書「山東紀行」より>


  • 前巻
  • 次巻

目次

1 最初の瞥見
2 天津
3 北京に入る
4 北京城
5 北京の雑観
6 飛鳥技
7 芝居
8 蒙古来
9 百果粥
10 竈祭
11 迎春の準備
12 北京の除夜
13 北京の元旦
14 上元節
15 打鬼
16 北京の四時
17 遼・金の土城
18 カムバリック
19 北京の名勝
20 北京近郊の名勝
21 山東紀行
22 長安紀行
23 長沙紀行
24 武漢の名勝
25 南京の名勝
26 鎮江
27 蘇州
28 杭州
29 中国の家族制度
30 結婚の話
31 中国の社会事業
32 革命と中国国民思想
33 中国国民性論

書誌情報

紙版

発売日

2006年05月12日

ISBN

9784061597617

判型

A6

価格

定価:1,320円(本体1,200円)

通巻番号

1761

ページ数

376ページ

シリーズ

講談社学術文庫

著者紹介

製品関連情報