白秋 青春詩歌集

白秋 青春詩歌集

ハクシュウセイシュンシイカシュウ

講談社文芸文庫

九州柳河の豪商の子として生い立ち、乳母日傘の幼い日々の性の目覚めを鮮烈に歌う「思ひ出」。文学を志し上京、詩壇の寵児となった青年の才気と野心が眩しい「邪宗門」。人妻との姦通で告訴され「三八七番」という囚人の身となる20代後半の痛切な恋愛体験に基づく歌集「桐の花」――など。初期の詩と歌に、詩的散文「わが生ひ立ち」はじめ珠玉の随筆を加え、生命感沸き立つ青春像を浮き彫りにする。

熱い生の奔流
白秋にとっての<青春>は、どこまでがそう呼ぶにふさわしい時期か、と考えた。(略)松下俊子との恋愛は、白秋20代後半の4年間を占める大事件だった。(略)白秋をもっとも白秋たらしめている作品はこの時期に書かれた。この恋愛体験は、それほど決定的なものだった。それでわたしは、初期白秋を特徴づける詩歌集の紹介をしながら、この甘美にして切実、悲痛きわまる恋愛の経過・行く末がたどっていけるように、この「詩歌集」を編集してみた。――三木卓(編者)


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書誌情報

紙版

発売日

2004年11月12日

ISBN

9784061983861

判型

A6

価格

定価:1,320円(本体1,200円)

ページ数

256ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

本書は『白秋全集』1,2,3,6,7,35(1984~87年 岩波書店刊)を底本としました。

著者紹介