紅顔

紅顔

コウガン

文芸(単行本)

歴史に秘された純愛を描く傑作。 最大の裏切り将軍呉三桂と美女円円。清新な筆力が躍る明末の激動と純愛! 明の末期、呉三桂は、明を倒して都を占拠した李自成軍に妾の陳円円を奪われたと聞き、守っていた山海関を開き清軍を招き入れた。結果、彼は売国奴との汚名を残し、円円は傾国の美女の名を留めることとなる。 この物語の準備をする過程で、私は呉三桂という人物に惚れてしまったらしい。私は失敗をし悪事を働いた(とされる)人間の、その悪さや弱さの方をいとおしく感じてしまう。気がついたら、大望を抱いて破滅する男の物語を書いていた。 女は品行方正な正義の味方にばかり惚れるわけではない。『紅顔』は、私が初めて書いた純愛小説と言わせてもらおう。──井上祐美子


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書誌情報

紙版

発売日

1997年07月24日

ISBN

9784062087926

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

326ページ

初出

『季刊歴史ピ-プル』1997年陽春号に一挙掲載

著者紹介