莫山の寒山拾得

莫山の寒山拾得

バクザンノカンザンジットク

平成の文人画家・榊莫山の「寒山拾得(かんざんじっとく」漫筆録!

●特別描き下ろし扉絵付き「蘇州・寒山寺の鐘楼(しょうろう」

「姑蘇(こそ)城外の寒山寺 夜半の鐘声(しょうせい)客船に到る」(張継『楓橋夜泊(ふうきょうやはく)詩』)――と詠われた中国の水都・蘇州は寒山寺。その寒い山寺には、「経を持てども、経読まず。箒持てども、塵掃かず。」と世の人人に言われ、山や野や川で遊んでばかりの二人が棲んでいました……。

雲はたなびき 水は滔々(とうとう)
この寒山に 隠者がひとり
昼はひたすら 山かけめぐり
夜は帰って 洞穴ぐらし
またたくうちに 春秋はすぎ
心しずかに 俗界ばなれ
ひとりぼっちの 裸の自由
心は秋の 流れのようだ

と。この詩はそのまま、寒山である。
なんのはずみか寒山には拾得という相棒がでてくるのだが、わたしはこの二人あわせて、「寒山と拾得」の絵を描いてきた。かなりの数だと思う。
なぜか、寒山拾得は、描いていると楽しいのである。夢心地といえばすこし大げさかも知れないが、夢見る気分につつまれるのである。――(本文より抜粋)


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書誌情報

紙版

発売日

2003年03月31日

ISBN

9784062116572

判型

ワイド変型

価格

定価:3,960円(本体3,600円)

ページ数

82ページ

著者紹介