
「おかしな二人組」三部作
スゥードカップルサンブサク
- 著: 大江 健三郎

ノーベル賞受賞後に紡がれた後期の傑作 特装版。
あらためて大江文学と本当に出会うために――
人生の困難と悲哀を乗り越えて見出すもの。
友人の映画監督の死をきっかけに書き始めたノーベル文学賞以降、後期作品の集大成。
●『取り替え子(チェンジリング)』
●『憂い顔の童子』
●『さようなら、私の本よ!』
特別付録・自著解説小冊子/全冊奥付に著者検印。
小説作者:「ところできみと塙吾良の「おかしな二人組」で、師匠格の吾良から弟子格のきみが教育された、その核心は何だと思う?」
長江古義人:「作中人物の私に、それを聞くのかい? 私が知ってること、私が小説のなかでしゃべったり考えたりすることすべて、きみが構想し、きみが書いたものじゃないのか?」
小説作者:「そうだよ。しかしその僕の書き方がさ、作中人物のモデルの小説家である僕、そして友人の映画監督の、実際の両者の関係を、小説では単純化してしまっているのじゃないか、そう思うことがあるのでね。もしきみが、小説の側の人物として、この両者が現実に生きた相互関係はもっと複雑だったのじゃないかと疑う。そういう部分があったならば知りたい、と思ってね。」
――<特別付録・自著解説小冊子『長江古義人と小説作者の対話』より>
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書誌情報
紙版
発売日
2006年12月23日
ISBN
9784062138048
判型
四六
価格
定価:9,680円(本体8,800円)
ページ数
1350ページ
初出
3冊セット、分売不可