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COVERED M博士の島
カバードエムハカセノシマ
- 著: 森 晶麿

僕はネットにあった異様な募集に応募し、O島に向かった。O島は、近年まで〈鬼〉が出ると噂され、周囲の住民も近づかない孤島だったが、若き天才美容外科医のM博士が購入し、研究棟を建てて究極の「美」を追究していた。そこには、二人の美しい女と博士の婚約者=レイコがいた。僕の手術後、M博士の部屋から、首のない死体が見つかる。博士を殺した〈鬼〉を自ら捕まえるため、レイコは研究棟を〈密室〉にしていく。
募集内容・・全身整形に抵抗のない二十代から三十代の男性を急募。
報酬・・一千万円。
条件・・瀬戸内海O島に最大一年の滞在。
備考・・術後、元の姿に戻れないことを承諾できる方に限ります。
人生に絶望していた「僕」は、新しい「自分」を手に入れるために、治験モニタ人材バンクのサイトにあった異様な募集に応募し、O島に向かった。瀬戸内海に浮かぶO島は、近年まで〈鬼〉が出ると噂され、周囲の住民も近づくことのない孤島だったが、東京から姿を消した若き天才美容外科医のM博士が購入し、研究棟を建てて究極の「美」を追究していた。そこには、二人の美しい女と博士の婚約者=レイコがいた。「僕」の手術後、M博士の部屋から、首のない死体が見つかる。博士を殺した〈鬼〉を自らの手で捕まえるため、レイコは研究棟を〈密室〉にしていく――。
なぜ、M博士は殺されたのか。究極の「美」とは何なのか。〈鬼〉は何者なのか。アガサ・クリスティー賞作家が初めて挑んだ孤島ミステリ。
目次
● 島に着くまで
● O島、初日
● O島、10日目まで
● O島、10日目午後10時半まで
● O島、10日目午後10時40分から午前零時まで
● O島、11日目午前零時から午前2時まで
● O島、11日目午前2時から4時まで
● 11日目
書誌情報
紙版
発売日
2014年04月17日
ISBN
9784062189194
判型
四六変型
価格
定価:1,650円(本体1,500円)
ページ数
274ページ
著者紹介
森晶麿(もり・あきまろ) 1979年、静岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手がけながら小説の執筆を続け、2011年『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞し、大ヒットする。 著書に『黒猫の接吻あるいは最終講義』『黒猫の薔薇あるいは時間飛行』『黒猫の刹那あるいは卒論指導』といった「黒猫シリーズ」、他に『ホテル・モーリス』『奥の細道・オブ・ザ・デッド』『虚構日記』『東京・オブ・ザ・キャット』『名無しの蝶は、まだ酔わない 戸山大学〈スイ研〉の謎と酔理』がある。