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猫の神様
ネコノカミサマ
- 著: 東良 美季

彼が死んだのは、暖かい春の陽射しが射し込む、穏やかな朝だった。十年と八ヶ月一緒に暮らしたというのに、それはとてもあっけないお別れだった…ぎじゅ太が死んでからというもの、僕は毎日を呆然と過ごした。僕の薄い膜の中に入って来れるのはみャ太だけだった…こいつは長生きするだろう。これから先、ずっと長い間可愛がって、二人仲良く暮らして。でもそうはならなかった。独身ライターとその小さな家族の、愛と孤独の物語。
彼が死んだのは、暖かい春の陽射しが差し込む、穏やかな朝だった。十年と八ヶ
月一緒に暮らしたというのに、それはとてもあっけないお別れだった......ぎ
じゅ太が死んでからというもの、僕は毎日を呆然と過ごした。僕の薄い膜の中に
入って来れるのはみャ太だけだった......こいつは長生きするだろう。これから
先、ずっと長い間可愛がって、二人仲良く暮らしていけるはずだ。でもそうはな
らなかった。おそらくこの時すでに、彼の身体の中では異変が起こっていたの
だ。
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目次
プロローグ
第1章 葬送の日
第2章 猫の神様
第3章 初春
第4章 君は大きな存在
第5章 一進一退
第6章 晩秋へ
第7章 戦い
第8章 最後の日々
第9章 猫の神様、再び
エピローグ
謝辞
あとがき
書誌情報
紙版
発売日
2012年11月15日
ISBN
9784062773805
判型
A6
価格
定価:524円(本体476円)
ページ数
240ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2012年12月14日
JDCN
0627738000100011000U
初出
著者のブログ日記「毎日jogjob日誌」とwebコラム「追想特急~lostbound express」に掲載された文章に加筆・修正・書下ろしを加え、2007年単行本「猫の神様」として新潮社より刊行されたもの。