現代アイヌ文学作品選

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現代アイヌ文学作品選

ゲンダイアイヌブンガクサクヒンセン

講談社文芸文庫

言葉と文化への抑圧に抗しアイヌの魂を謳い上げた現代の叙事詩人(ユーカラクル)たち

口承文芸の精華・ユーカラを生み出したアイヌ民族は、近代以降、文化や言葉を抑圧され、長く沈黙を強いられた。そんな中から、神謡の日本語訳に若い命を燃やした知里幸恵、短歌にアイヌの苦悩と誇りを籠めたバチェラー八重子や違星北斗、民族と自己のアイデンティティを追求した鳩沢佐美夫、アイヌ語の弔詞に民族の世界観を凝縮した萱野茂などが現れた。現代アイヌ文学を代表する9人の作品を精選する画期的なアンソロジー。

川村湊
この本は、アイヌ民族の出自であることを明らかにしている筆者たちの作品を、文芸的なジャンルにこだわらず集めたものだ。(略)バチェラー八重子や知里幸恵の孤立した営みが、それぞれ違星北斗や森竹竹市が、また知里真志保が、その精神を受け継いだように、点は線となり、線は太い絆となって、「現代アイヌ文学」が成立したと私は考える。この本は、その初めてのアンソロジーの試みである。――<「解説」より>


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書誌情報

紙版

発売日

2010年03月12日

ISBN

9784062900799

判型

A6

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

ページ数

304ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

現代の読者の読み易さを考えて、旧漢字旧かな遣いは新漢字新かな遣いに改めたが、詩・短歌・俳句等の韻文は底本のままとした。明らかな誤記誤植であると思われるものは他の刊本を参照しつつ訂正したが、疑問のある語句に関しては「ママ」として底本に従った。横組の文章もすべて縦組みに変え、ルビは適宜増減した。

収録作品

  • 作品名

    アイヌ神謡衆

    初出

    弘南堂書店 1970年(増訂復刊)

  • 作品名

    銀のしずく 知里幸恵遺稿

    初出

    草風館 1984年

  • 作品名

    和人は舟を食う

    初出

    北海道出版企画センター 1986年

  • 作品名

    若きウタリに

    初出

    竹柏会 1931年

  • 作品名

    コタン 違星北斗遺稿

    初出

    草風館 1995年

  • 作品名

    レラコラチ 森竹竹市遺稿集

    初出

    えぞや 1977年

  • 作品名

    コタンに死す 鳩沢佐美夫作品集

    初出

    新人物従来社 1973年

  • 作品名

    イタク カシカムイ

    初出

    北海道大学図書刊行会 1991年

  • 作品名

    アイヌ わが人生

    初出

    岩波書店 1993年

  • 作品名

    アイヌ わが人生

    初出

    岩波書店 1993年

  • 作品名

    炎の馬 アイヌ民話集

    初出

    すずさわ書店 1977年

著者紹介