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月夜の記憶
ツキヨノキオク
- 著: 吉村 昭

人間の根柢へ、文学の原理へ、深まりゆく作家精神の軌跡!
死を賭して受けた胸部手術、病室から見た月、隣室の線香の匂い、そして人間の業……。終戦からほどない、21歳の夏の一夜を描いた表題作をはじめ、人間の生と死を見据え、事実に肉迫する吉村昭の文学の原点を鮮やかに示す随筆集。自らの戦争体験、肉親の死、文学修業時代と愛する文学作品、旅と酒について、そして家族のことなど、ときに厳しく、ときにユーモラスに綴る。
◎秋山駿ーーこの随筆集は、何を果したのか。読んでいるうちに、わたしは面白いことに気が付いた。かなり以前からわたしは、日本ではあれほど「私小説」が全盛であったのに、なぜ「私哲学」といったものがそれほど出現しないのか、疑問に思っていた。この「随筆」は、数々の優れた長篇小説と対比して言うのだが、吉村さんの「私哲学」だったのではあるまいか。これが、急所だ。(中略)作家吉村昭の全身像が現われる。だから、この随筆集こそ、吉村さんの代表作といっていいものであろう。<「解説」より>
ⒸSetuko Yoshimura
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書誌情報
紙版
発売日
2011年03月12日
ISBN
9784062901178
判型
A6
価格
定価:1,650円(本体1,500円)
ページ数
352ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2019年12月20日
JDCN
06A0000000000069346O
初出
講談社文庫「月夜の記憶」(1990年8月)を底本とした。なお、同文庫は、講談社刊「精神的季節」(1972年9月)をもとに、対談一篇、およびほかの著者と重複する随筆七篇を除き、成ったもの。
収録作品
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作品名初出
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作品名
月夜の記憶
初出
『新潮』1966年11月
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作品名
詩人と非詩人
初出
『文学界』1971年3月
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作品名
小説家の矛盾
初出
地方各紙 1967年12月
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作品名
小説を書き出すまで
初出
『別冊文藝春秋』夏季号 1965年
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作品名
わが愛する歌
初出
『サンケイ新聞』1969年12月
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作品名
この一書
初出
『朝日新聞』1968年11月
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作品名
わたしと古典―伊勢物語
初出
『サンケイ新聞』1971年12月
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作品名
手鏡と聖書
初出
地方各紙 1970年5月
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作品名
文字
初出
『文学者』1970年11月
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作品名
学生時代の同人誌
初出
『風景』1971年3月
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作品名
刑務所通い
初出
『円卓』1965年5月
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作品名
極点
初出
『文学者』1959年6月
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作品名
ニュースの一画面から
初出
『文学者』1960年6月
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作品名
茸
初出
『文学者』1962年10月
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作品名
小説と私
初出
『文学者』1966年3月
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作品名
ベンチ
初出
『円卓』1963年8月
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作品名
老人と鉄柵
初出
『朝日新聞』1972年5月
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作品名
H君の個展
初出
『風景』1964年7月
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作品名
通夜
初出
『風景』1968年4月
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作品名
津軽と太宰治
初出
集英社版日本文学全集「太宰治集」月報 1972年3月
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作品名
三度会った男
初出
地方各紙 1970年2月
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作品名
綴じる
初出
『文学者』1972年5月
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作品名
投資家たち
初出
『週刊朝日』1968年11月
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作品名
物悲しい納得―編集者への手紙
初出
『著者と編集者』1970年2月
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作品名
お大事に・・・・・・
初出
『新潮』1968年6月
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作品名
尿の話
初出
『風景』1969年9月
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作品名
「杉田玄白 訳」の不思議
初出
『歴史と人物』1972年2月
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作品名
実験動物の世界
初出
『東京新聞』1967年11月
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作品名
二つの精神的季節
初出
『展望』1968年12月
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作品名
私の中の戦中・戦後
初出
『サンケイ新聞』1969年8月
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作品名
抜刀
初出
『文化評論』1971年6月
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作品名
オトコ科・オンナ科
初出
『現代の眼』1966年9月
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作品名
靖国神社
初出
『週刊朝日』1969年7月
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作品名
戦争は終ったか
初出
『週刊朝日』1969年8月
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作品名
「沖縄戦」を取材して
初出
『琉球新報』1967年5月
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作品名
レイタス
初出
『諸君』1970年9月
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作品名
政治家と公害
初出
『都道府県展望』1971年7月
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作品名
人殺しの分母
初出
『潮』1969年7月
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作品名
現代語の卑しさ
初出
『週刊朝日』1969年12月
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作品名
自ら法を破る政治家
初出
『週刊朝日』1969年12月
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作品名
飲酒指南
初出
『週刊朝日』1969年5月
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作品名
大人への過保護
初出
『週刊朝日』1969年4月
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作品名
生活のけじめ
初出
『週刊朝日』1969年1月
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作品名
オヤジと古さ
初出
『総合教育技術』1971年4月
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作品名
六時十五分に帰宅する夫
初出
『あさひ』1970年8月
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作品名
アイヌ猟師の教え
初出
『学習のひろば』1971年11月
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作品名
電話
初出
『ダイヤル』1970年3月
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作品名
バウ・ミュー・クリニック
初出
『週刊朝日』1969年10月
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作品名
千円のライスカレー
初出
『週刊朝日』1969年8月
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作品名
簡単ながら・・・・・・
初出
『週刊朝日』1969年5月
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作品名
夜の銀座
初出
『週刊朝日』1969年8月
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作品名
「どうも」
初出
『週刊朝日』1969年9月
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作品名
外国人に恥かしい?
初出
『週刊朝日』1968年11月
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作品名
平手打ちを食わす勇気
初出
『週刊朝日』1969年4月
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作品名
「ダメ」
初出
『週刊朝日』1968年11月
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作品名
ああ青春
初出
『小説新潮』1972年7月
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作品名
墓地と息子
初出
『浄土宗新聞』1971年9月
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作品名
スイトン家族
初出
『小説現代』1970年4月
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作品名
死水
初出
『風景』1971年10月
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作品名
妻
初出
『婦人公論』1971年5月
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作品名
背広と万年筆
初出
『電々ジャーナル』1972年1月
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作品名
長火鉢
初出
『酒』1969年6月
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作品名
一升瓶を抱いて
初出
『酒』1970年5月
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作品名
年来の畏友
初出
『小説現代』1969年6月
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作品名
雪人氏との旅
初出
『北の話』1970年10月
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作品名
笑い上戸
初出
『酒』1966年10月
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作品名
愚かな父と愚かな母
初出
『レジャーと経営』1972年6月
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作品名
居候亭主
初出
『週刊朝日』1969年9月
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作品名
メンチ、コロッケ
初出
『週刊朝日』1969年3月
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作品名
夫―この物悲しい動物
初出
『週刊朝日』1969年6月