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老残/死に近く 川崎長太郎老境小説集
ロウザンシニチカクカワサキチョウタロウロウキョウショウセツシュウ
- 著: 川崎 長太郎

60歳を過ぎての結婚から、83歳の死まで、自らの「老い」と「病」を見つめた、晩年20年にわたる珠玉の短篇をの集成。30歳年下の女性との結婚に至る葛藤と顛末を描いた「彼」「老残」。その後の結婚生活の波乱を記す「老坂」。病と向き合う「海浜病院にて」「七十歳」。死を身近に感じる「夕映え」、そして絶筆「死に近く」――最期まで文学への情念の炎を燃やし続けた「私小説家」川崎長太郎の神髄に迫る。
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目次
彼
老残
結婚
円い食卓
海浜病院にて
七十歳
老坂
三本脚
独語
甥
夕映え
死に近く
書誌情報
紙版
発売日
2013年12月11日
ISBN
9784062902168
判型
A6
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
320ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
本書収録の12作品のうち、8篇は刊本を底本とし(収録作品参照)、残りの4篇は初出誌を底本とした。
収録作品
-
作品名初出
-
作品名
彼
初出
『新潮』1962年5月 「川崎長太郎選集」下巻(河出書房新社、1991年11月)
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作品名
老残
初出
『群像』1961年12月
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作品名
結婚
初出
『群像』1962年9月、原題「やもめ爺と三十後家の結婚」 「川崎長太郎選集」下巻(河出書房新社、1991年11月)
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作品名
円い食卓
初出
『小説新潮』1962年11月
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作品名
海浜病院にて
初出
『群像』1968年3月
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作品名
七十歳
初出
『海』1972年1月 「昭和文学全集」第14巻(小学館、1988年11月)
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作品名
老坂
初出
『別冊小説新潮』1973年4月 「独白の翳り 現代小説ベスト10 1973年版」(角川文庫、1977年9月)
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作品名
三本脚
初出
『週刊朝日』1974年1月18日
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作品名
独語
初出
『群像』1979年7月 「淡雪」(新潮社、1980年5月)
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作品名
甥
初出
『文學界』1983年3月 「夕映え」(河出書房新社、1983年9月)
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作品名
夕映え
初出
『海』1982年3月 「川崎長太郎選集」下巻(河出書房新社、1991年11月)
-
作品名
死に近く
初出
『海』1983年9月 「文芸誌「海」精選短篇集」(中公文庫、2006年10月)
著者紹介
1901年~1985年。小田原の魚商の家に生まれ、小田原海岸の物置小屋に暮らしながら、娼婦街「抹香町」の女たちを描いた“ 抹香町もの”を発表。作品に「無題」「路傍」「朽花」「抹香町」「売笑婦」「伊豆の街道」「鳳仙花」「もぐら随筆」など。 なお、70年代には、川崎を信奉するつげ義春を経由して、”川崎長太郎ブーム”が若者の間に到来。物置小屋に住み、最底辺の生活を書いていたこの作家は、日本のヒッピーの先祖ともみられた。ブームの余波として1980年には、河出書房新社から『川崎長太郎自選全集』も刊行された。