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きらん風月
キランフウゲツ
- 著: 永井 紗耶子

筆という卵が生み出すのは、武者か美女か、それとも鬼か。東海一の文化人と、松平定信の交流が心を揺さぶる。──直木賞受賞第一作!
かつては寛政の改革を老中として推し進めた松平定信は、60を過ぎて地元・白河藩主の座からも引退した。いまは「風月翁」とも「楽翁」とも名乗って旅の途次にある。その定信が東海道は日坂宿の煙草屋で出会ったのが栗杖亭鬼卵。東海道の名士や文化人を伝える『東海道人物志』や尼子十勇士の物語『勇婦全傳繪本更科草子』を著した文化人だ。片や規律正しい社会をめざした定信に対し、鬼卵は大坂と江戸の橋渡し役となる自由人であり続けようとした。鬼卵が店先で始めた昔語りは、やがて定信の半生をも照らし出し、大きな決意を促すのだった……。
ⒸSayako Nagai 2024
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書誌情報
紙版
発売日
2024年01月24日
ISBN
9784065338193
判型
四六変型
価格
定価:1,980円(本体1,800円)
ページ数
256ページ
電子版
発売日
2024年01月23日
JDCN
06A0000000000749851L
初出
産経新聞2023年1月8日~7月20日
著者紹介
1977年、神奈川県出身。慶應大学文学部卒業。新聞記者を経て、フリーライターとして雑誌などで活躍。2010年、『絡(から)繰(く)り心中』で第11回小学館文庫小説賞を受賞し、デビュー。『商う狼 江戸商人 杉本茂十郎』で’20年に第3回細谷正充賞および第10回本屋が選ぶ時代小説大賞を、翌’21年に第40回新田次郎文学賞を受賞する。’22年、『女人入眼』が第167回直木賞候補に。そして’23年『木挽町のあだ討ち』で第36回山本周五郎賞と第169回直木賞のダブル受賞を果たした。また同年、『大奥づとめ』で啓文堂書店 時代小説文庫大賞を受賞した。