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下垣内教授の江戸
シモゴウチキョウジュノエド
- 著: 青山 文平

ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。近代美術のすごみが横たわる圧巻の長篇時代小説!
東京美術学校の発足に携わり、帝国博物館でも要職を務めるなど、「日本美術」の目利きと称された下垣内邦雄が、関東大震災、金融恐慌、世界恐慌に襲われたあとの1931年、歴史の大きなうねりの中で亡くなった。思い起こされるのは、ある新聞記者による4年前の単独取材だった。美術に関する意図とおりの質問のあと、下垣内教授は自らの半生について語り始める。「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」。凡百の出世物語とは似ても似つかぬ、幕末活劇とはまったくちがう話に、記者はかっさらわれたのだった……。
ⒸBunpei Aoyama 2024
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書誌情報
紙版
発売日
2024年12月18日
ISBN
9784065377291
判型
四六変型
価格
定価:2,090円(本体1,900円)
ページ数
256ページ
電子版
発売日
2024年12月17日
JDCN
06A0000000000849314A
初出
「小説現代」2024年11月号
著者紹介
1948年、神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2011年、『白樫の樹の下で』で第18回松本清張賞を受賞しデビュー。’15年に『鬼はもとより』で第17回大藪春彦賞を、’16年に『つまをめとらば』で第154回直木賞を、’22年に『底惚れ』で第17回中央公論文芸賞と第35回柴田錬三郎賞のダブル受賞を果たした。その他の著書に、『かけおちる』『伊賀の残光』『春山入り』『半席』『励み場』『遠縁の女』『跳ぶ男』『江戸染まぬ』『泳ぐ者』『やっと訪れた春に』『本売る日々』『父がしたこと』など。