塗仏の宴 宴の支度
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塗仏の宴

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昭和28年春。小説家、関口巽の許に奇怪な取材依頼が齎(もたら)された。伊豆山中の集落が住人ごと忽然と消え失せたのだという。調査に赴いた関口に郷土史家を名乗る和装の男が嘯(うそぶ)く。──「世の中には不思議でないものなどないのです」男が現出させたこの世ならざる怪異。関口は異空間へと誘われるのか?6つの妖怪(ぬっぺっぽう・うわん・ひょうすべ・わいら・しょうけら・おとろし)の物語で、「宴」の「支度」は整い、その結末は「始末」にて明らかとなる。待望の最新作。

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分冊文庫版 塗仏の宴 宴の始末(下)
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分冊文庫版 塗仏の宴 宴の始末(下)

発売日:2006年05月16日

男は笑った。「それにしても久し振りだったな中禅寺。会いたかったぞ」 「僕は――二度と会いたくありませんでしたよ」 「愉しかったでしょう。こんなに長い間楽しませてあげたんですからねえ」。宴の“黒幕”は笑った。かつて戸人村(へびとむら)でおきた事件の真相、15年後の再会に仕組まれていた邪悪な目論見、そして囹圄(れいご)の人たる関口巽は助かるのか……。事件のすべての謎を明かした果てに京極堂は時代の勢を察す。時、まさに昭和28年。

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