前田利家(上)
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津本陽 前田利家

ツモトヨウマエダトシイエ

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朱武者バサラ利家の華麗なる運命! 利家は右腋に敵の槍先を受け、血が鎧直垂を濡らしていた。彼は、槍を杖に信長本陣に戻ると首級を近侍に差しだす。信長のかたわらにいた柴田勝家が、大声で告げた。「殿、利家が手柄をたててござりまするぞ。なにとぞ勘当をご宥免してやって下されませ」采配を手に、使い番に口早に下知をしていた信長はふりかえり、利家をにらむと叫んだ。「ならぬ。そやつは目通り叶わぬ」利家は信長の言葉を聞くなり槍をひっさげ、敵勢にむかい駈け戻ってゆく。勝家が信長にいう。「利家は手を負うておりまするに、追い返さば斬り死にいたしまするでや」──本文から

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前田利家(下)
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前田利家(下)

発売日:1997年09月12日

死を賭して、徳川家康の野望に立ち向かう武士魂! ーー文禄2年9月、前田屋敷を訪れた豊臣秀吉のため、利家は能を興行。秀吉、家康の3人で能を披露、見物は大いに湧いた。秀吉の没後、隠然たる勢力を誇示する家康に、対抗できるのは利家のみ。死の床に家康一行を迎えた利家は、密かに暗殺を覚悟するのだが……。眼前に迫る死の闇に、敢然と立ち向かう武士魂を描く、歴史小説!! <全3巻・完結>

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