
ことばと身体 「言語の手前」の人類学
コトバトシンタイゲンゴノテマエノジンルイガク
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わたしが話す。あなたが自分の体にふれる。このとき、何が交されているのか? わたしたちが会話をしているとき、そこではことばだけが交わされているのではない。どんなに些細な、他愛のないおしゃべりであっても、自分の体にさわったり、身ぶりをしたり、ごく短い間があったり、ときには何かを演じたり、身体まるごとつかったコミュニケーションが繰りひろげられている。ブッシュマンの家族、日本の大学生、民俗芸能という多様な会話の現場を、徹底的にミクロに観察することで、コミュニケーションとは何か、社会とは何かという大いなる問いに挑む。現象学、社会システム理論、言語行為論などを参照しながら、徹底的に「身体」に根ざして考える“唯身論”人類学の試み。 【目次】 唯身論のために──まえがきにかえて 本書の表記法について 序章 言語の手前からの出発 第一章 グイの父子像──あたりまえのことを記述する 一 グイとの出会い 二 父と子の相互行為 三 父と子の表情空間 第二章 自分にさわりながら話す──日常会話における自己接触 一 微小な経験の自然誌へ向けて 二 字義的文脈に規定された自己接触 三 会話者の基本的な身がまえと会話の時間構造 四 関係性の露呈──自己接触の文脈分析 五 完結可能性の投射 六 独我論の綻び──考察 第三章 身体による相互行為への投錨──会話テキストはいかにわからないか 一 テキストを前にして 二 身ぶりと動作による意味の開示 三 身ぶりによる意味の充実 四 位相の複合と社会関係 五 「わからなさ」の壁 六 身体が投錨する意味 第四章 民俗芸能における身体資源の伝承──西浦田楽の練習場面から 一 「観音様」との出会い 二 身体資源の再配分 三 ニイから若い衆への指導 四 年長者たちの愉しみと挑戦 五 身体資源と実践共同体 第五章 相互行為から社会へ──「会話の人類学」再訪 一 社会とは何か──理論的背景 二 分析の背景 三 外部世界への接続 四 「場」の内部を志向する行為 五 情況に埋めこまれた「場」──事象次元での連接 六 過去への遡行──時間次元での連結 七 不快の表情空間──社会的次元への接合 八 相互行為を超える意味 終章 唯身論の人類学へ向けて 一 思考の枠組 二 明らかになったこと 注 あしたのために──あとがきにかえて
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ことばと身体 「言語の手前」の人類学
発売日:2010年09月10日
わたしが話す。あなたが自分の体にふれる。このとき、何が交されているのか? わたしたちが会話をしているとき、そこではことばだけが交わされているのではない。どんなに些細な、他愛のないおしゃべりであっても、自分の体にさわったり、身ぶりをしたり、ごく短い間があったり、ときには何かを演じたり、身体まるごとつかったコミュニケーションが繰りひろげられている。ブッシュマンの家族、日本の大学生、民俗芸能という多様な会話の現場を、徹底的にミクロに観察することで、コミュニケーションとは何か、社会とは何かという大いなる問いに挑む。現象学、社会システム理論、言語行為論などを参照しながら、徹底的に「身体」に根ざして考える“唯身論”人類学の試み。 【目次】 唯身論のために──まえがきにかえて 本書の表記法について 序章 言語の手前からの出発 第一章 グイの父子像──あたりまえのことを記述する 一 グイとの出会い 二 父と子の相互行為 三 父と子の表情空間 第二章 自分にさわりながら話す──日常会話における自己接触 一 微小な経験の自然誌へ向けて 二 字義的文脈に規定された自己接触 三 会話者の基本的な身がまえと会話の時間構造 四 関係性の露呈──自己接触の文脈分析 五 完結可能性の投射 六 独我論の綻び──考察 第三章 身体による相互行為への投錨──会話テキストはいかにわからないか 一 テキストを前にして 二 身ぶりと動作による意味の開示 三 身ぶりによる意味の充実 四 位相の複合と社会関係 五 「わからなさ」の壁 六 身体が投錨する意味 第四章 民俗芸能における身体資源の伝承──西浦田楽の練習場面から 一 「観音様」との出会い 二 身体資源の再配分 三 ニイから若い衆への指導 四 年長者たちの愉しみと挑戦 五 身体資源と実践共同体 第五章 相互行為から社会へ──「会話の人類学」再訪 一 社会とは何か──理論的背景 二 分析の背景 三 外部世界への接続 四 「場」の内部を志向する行為 五 情況に埋めこまれた「場」──事象次元での連接 六 過去への遡行──時間次元での連結 七 不快の表情空間──社会的次元への接合 八 相互行為を超える意味 終章 唯身論の人類学へ向けて 一 思考の枠組 二 明らかになったこと 注 あしたのために──あとがきにかえて