タブーの漢字学

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タブーノカンジガク

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性の話、トイレの話…… はばかりながら読む漢字の文化史! 「性」にまつわる漢字 かりに私たちがまだ文字のない時代に暮らしているとして、王様から文字を作る仕事をあたえられた、と仮定してみよう。(中略)王様から作成を命じられたのが、もしも「一人前の立派な男」という意味を表す文字だったら、あなたはいったいどうするだろうか。男の子が成長し、一人前の立派な男性になったことを文字で示すには、いったい何で表現すればいいだろう。なにを使うかは、人によってまちまちである。現代人ならば、それをスーツにネクタイという姿で表現する人もいるだろうし、引きしまったたくましい肉体のイメージで、一人前の男をとらえる人もいるだろう。そして中には、そんなの「男のシンボル」でしか表現できないじゃないか、とニヤニヤしながら考える人もいるにちがいない。――<本書より>

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タブーの漢字学
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タブーの漢字学

発売日:2013年07月11日

はばかりながら読む漢字の文化史! 「且」は男性、「也」は女性の何を表す……? 性、死、名前、トイレなどのタブーをめぐる、ゆたかで隠微な漢字の世界。 中国科学院の院長までつとめた郭沫若の「士」=男根説。性器はやはり「陰」と「陽」で表される。「死」という漢字を避ける習慣。「トイレにいく」が「解手」となるわけ。皇帝やその祖先の実名を厳重に避ける「避諱」とは──。日常の話から歴史や逸話まで、幅広く、豊富な話題を紹介しながら、漢字とタブーの関係を鋭く、面白くつづった会心の名篇。 男女の性行為とか排泄、あるいは女性の生理などに関係することがらは、これまでは「隠しごと」とされ、それを表すことばや文字は社会の表層からはなかなか見えなかった。しかしそんな「隠しごと」も、人間の暮らしと社会の様相を示すものであることにはまったく変わりなく、実際に「隠しごと」に関してのソフトもハードも、時代とともに着実に進化を遂げてきた。そして文字も、その変化発展に完全に対応してきたのである。──本書「あとがき」より

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