漢詩の名句・名吟
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漢詩の名句・名吟

カンシノメイクメイギン

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三杯の酒に大道を知り、都の月に旧友を思う……。奔放自在な「詩仙」李白、謹厳実直な「詩聖」杜甫、閑寂の自然詩人王維など、平安の世から日本人の心をとらえてはなさない漢詩の豊かな抒情の世界に遊ぶ。 この世に処るは大いなる夢の若し――「浮生は夢のごとし、歓を為すこと幾何ぞ」というテーマは、李白のこの文章だけでなく、李白の詩のいたるところに鳴りひびきます。詩文を問わず、李白の文学の根底にいつも流れている基音といってもよいでしょう。近年クラシック音楽のほうで、グスタフ・マーラーの人気がとみにあがっているそうですが、その代表作のひとつ「大地の歌」は、「唐詩を下敷きにして作られたといわれております。もとよりマーラーに唐詩が読めるはずはありませんが、ハンス・ベトゲという人の「中国の笛」と題する唐詩の翻訳詩集を読んで感激し、この大作にとりかかったのだそうです。ご承知のようにこの曲は、「テノールとアルト(またはバリトン)と管弦楽のための交響曲」と副題があり、歌曲と管弦楽が一体になっておりますが、その歌曲の歌詞は、ベトゲの訳詩をもとにして曲を付したものです。そして全6楽章のうち、1、3、4、5と4つの楽章は「李太白による」となっております……。それは李白の詩の根底に流れているものが、それだけの普遍性をもっているということでもあるでしょう。――本書より

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漢詩の名句・名吟
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漢詩の名句・名吟

発売日:2022年11月09日

漢詩は、平安時代から現代まで、多くの日本人の心をとらえてきた。その歴史・地理的な背景や、日本の漢詩受容を押さえて、丁寧に作品を読み解き、漢詩の豊かな抒情の世界に遊ぶ。奔放自在な「詩仙」李白、謹厳実直な「詩聖」杜甫、閑寂の自然詩人・王維など、珠玉の名作を読む醍醐味を味わいつつ、自由闊達に読むことをも可能にする最良の入門書。 [本書の内容] 序章 漢詩をどう読むか I 李白と酒 II 月の光 III 登楼・重陽 IV 杜甫の律詩 V 蘇州詩話 VI 閑寂・江南の春 VII 旅愁・シルクロード VIII 唐詩と日本人

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