
私の戦旅歌
ワタシノセンリョカ
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昭和14年、騎兵として中国山西省に出動した若き兵士は、果てしない黄土高原の風景、生死を一瞬に分かつ戦の実状と兵士の死生観、帰還しなかった軍馬達への哀惜を歌に詠んだ。旅嚢の底に秘め辛々持ち帰った手帖に記された歌に回想を加えた本書には、戦争体験者の真情と詩心が溢れ返っている。 戦旅にあってなお歌は生まれた 陣地占りてようやく心しずまりぬ曳光弾を美しと思う 茫茫とわれを越えゆく歳月を堰くすべもなきいくさなりしか 昭和14年、騎兵として中国山西省に出動した若き兵士は、果てしない黄土高原の風景、生死を一瞬に分かつ戦の実状と兵士の死生観、帰還しなかった軍馬達への哀惜を歌に詠んだ。旅嚢の底に秘め辛々持ち帰った手帖に記された歌に回想を加えた本書には、戦争体験者の真情と詩心が溢れ返っている。 大河内昭爾 この情感の豊かさが『私の戦旅歌』1冊の基調である。また「大自然の風光というのは、人間を、基本的に魅了してしまう力がある」といい、「一種の虚脱感、放心に陥れてしまう。」と著者はしるしているが、かかる放心が『私の戦旅歌』と一連の文章の底にあって、反戦などという戦記物につきまとう、おきまりの観念の入り込む余地はない。――<「解説」より>
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私の戦旅歌
発売日:2007年08月12日
昭和14年、騎兵として中国山西省に出動した若き兵士は、果てしない黄土高原の風景、生死を一瞬に分かつ戦の実状と兵士の死生観、帰還しなかった軍馬達への哀惜を歌に詠んだ。旅嚢の底に秘め辛々持ち帰った手帖に記された歌に回想を加えた本書には、戦争体験者の真情と詩心が溢れ返っている。 戦旅にあってなお歌は生まれた 陣地占りてようやく心しずまりぬ曳光弾を美しと思う 茫茫とわれを越えゆく歳月を堰くすべもなきいくさなりしか 昭和14年、騎兵として中国山西省に出動した若き兵士は、果てしない黄土高原の風景、生死を一瞬に分かつ戦の実状と兵士の死生観、帰還しなかった軍馬達への哀惜を歌に詠んだ。旅嚢の底に秘め辛々持ち帰った手帖に記された歌に回想を加えた本書には、戦争体験者の真情と詩心が溢れ返っている。 大河内昭爾 この情感の豊かさが『私の戦旅歌』1冊の基調である。また「大自然の風光というのは、人間を、基本的に魅了してしまう力がある」といい、「一種の虚脱感、放心に陥れてしまう。」と著者はしるしているが、かかる放心が『私の戦旅歌』と一連の文章の底にあって、反戦などという戦記物につきまとう、おきまりの観念の入り込む余地はない。――<「解説」より>