出雲神話
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出雲神話

イズモシンワ

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国引き、八岐大蛇、国譲りなど日本神話のなかで出雲の果たす役割はなぜか大きい。大和朝廷にとって幽界の地出雲とは、どのような意味を持っていたのか。本書は、記紀、風土記、神賀詞などの文献資料と歴史学、神話学の蓄積を縦横に駆使しながら、巫覡祭祀説によって出雲神話の実像を明らかにする。スサノオ、オオクニヌシ、スクナヒコナなどなじみぶかい神々の世界をとおして日本神話に新たな視点と生命を与えた。 2つの出雲神話の食い違い――『出雲国風土記』の多くの伝承の中で、記紀に共通もしくは近似の伝承があるかというと、ほとんど見出せない。また逆の場合もそうである。また記紀と共通して登場する神格にも、同じ物語は、ひとつも見あたらない。これは不思議なことである。簸の川の上流のできごととされるスサノオの有名な八岐大蛇の話も、『風土記』の大原郡斐伊郷の条を見ても、触れられていない。『古事記』のオオナムチの生い立ちの話にある、八十神によるさまざまな迫害や、根の国での試練の話も、『風土記』にはない。神々の神統譜も、どうやら記紀のそれとはかなり異なったかたちで考えられていたらしい。――本書より

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出雲神話
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出雲神話

発売日:2024年10月09日

国引き、八岐大蛇、国譲りなど、日本神話では最も重要な舞台であるにもかかわらず、大和朝廷に対抗したという出雲国の実態は未だ明らかになっていない。比較神話学、民俗学、宗教学、歴史学などの様々な知見からなる議論をまとめ、記紀や風土記、神賀詞などの資料を読み解き、出雲神話の虚像と実像を浮かび上がらせる最良の入門書!(解説・三浦佑之) 【本書で扱うトピック】 八岐大蛇の神話にはどのような意味があるか? なぜ、記紀と風土記の内容は、大きく異なるか? 大和朝廷と出雲国は、実際に敵対関係にあったか? なぜ、出雲は死者や他界と結びつけられてきたか? いかにして、オオクニヌシは国家的英雄神となったか? なぜ、古代出雲は宗教王国だったといえるか? 【目次】 まえがき 1 出雲神話の謎 2 二つの出雲神話 3 出雲国造家の台頭と自家の売りこみ 4 スサノオの神話 5 オオナムチの神話 6 国譲り神話と諸氏族 7 出雲土着の神々 参考文献 解説

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