
数学の考え方
スウガクノカンガエカタ
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数学には、私たち人類の長いあいだの貴重な経験が集積されている。数学の歴史を、細かい計算や技巧の歴史としてではなく、考え方の歴史、思想の歴史としてふり返るとき、人間の豊かな知恵の結晶した新しい数学の世界が開けてくる。本書は、数学の歴史の転回期に現われたいろいろな考え方を具体的に紹介し、現代数学の思想を興味深く解明する。 ターレスの発見――有名な「二等辺三角形の両底角は相等しい」という定理。これはターレスが発見し、その証明をあたえたものです。ターレスは、三角形ABCと、それを裏返した三角形ABCとを重ね合わせることを試みます。角Aは裏返した角Aに重なります。また、ABとACは同じ長さですから、ABとACは重なります。同じようにACとABも重なります。したがって、角Bは角Cに重なり、角Cは角Bに重なります。これで、二等辺三角形の両底角は相等しい、ということが証明されたわけです。なんだあたりまえではないか、という印象をもたれたかもしれません。事実、あたりまえのことなのですが、そのあたりまえのことの正しいことを証明し、それを応用した点にターレスの功績があります。――本書より
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数学の考え方
発売日:2015年08月11日
数学には人類の長いあいだの経験が集積されている。細かい計算や技巧の歴史としてではなく、ものの見方、考え方の歴史としてその道程を振り返るとき、目のまえには見たことのない数学の「風景」が広がるだろう。数学の歴史は私たちの思想の歴史にほかならない。数を数えることから現代数学までを鮮やかにつなぐ、数学入門の金字塔。(講談社学術文庫) 数学には人類の長いあいだの経験が集積されている。細かい計算や技巧の歴史としてではなく、ものの見方、考え方の歴史としてその道程を振り返るとき、目のまえには見たことのない数学の「風景」が広がるだろう。数学の歴史は私たちの思想の歴史にほかならない。数を数えることから現代数学までを鮮やかにつなぐ、数学入門の金字塔。