
遍路殺がし
ヘンロコロガシ
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突然、釣部渓三郎(つるべけいざぶろう)のもとに切断した足が送りつけられた。送り主は入院中の男性。壊死した足を火葬してくれという。既に手遅れの状態だった男の名は、北多摩署の蟹沢、相馬が担当する強盗殺人事件でも浮上した。釣部の周辺で再び起こる殺人。四国八十八カ所の急峻な遍路道を、釣部の鮮やかな推理が照らし出す! ●著者のことば わたしは菅笠をかぶり、白衣を着て、輪袈裟(わげさ)をかけ、ずだ袋を肩から下げて、金剛杖を手に、一番礼所の霊山寺から巡拝をはじめた。笠や杖には、同行二人(どうぎょうににん)、と書かれている。四国は、弘法大師の出生の地である。わたしが、お遍路さん姿で歩くと、お年寄りは頭を下げてくれたし、若者は道を開けてくれた。同行二人は、お大師さんと二人連れという意味である。もし犯罪者と二人連れなら、どうなるか。
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遍路殺がし
発売日:2002年01月16日
同行二人の巡礼旅――だが連れは殺人者だった!? 切断された足、40年前の強盗殺人。険しき遍路道の謎に釣部が挑む! 釣部渓三郎のもとへ、壊死して切断された足が入院中の男から届いた。その男は立川で起きた強盗殺人事件、そして40年前の銀行強盗に関っているらしい。さらに、釣部の知人が四国八十八カ所の遍路道で殺された。一連の事件の複雑な絡みを解くため、釣部は「遍路ころがし」と呼ばれる急峻な山道に足を踏み入れる。