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『深い河』創作日記
フカイカワソウサクニッキ
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「この小説のために今日の痛みをしのがねばならなかったのか」 死と向かい合った作家が最後に傾けた情熱。ベストセラー『深い河』は、いかに凄絶な闘病のなかで書き上げられたか。 7月30日 何という苦しい作業だろう。小説を完成させることは、広大な、余りに広大な石だらけの土地を掘り、耕し、耕作地にする努力。主よ、私は疲れました。もう70歳に近いのです。70歳の身にはこんな小説はあまりに辛い労働です。しかし完成させねばならぬ。
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最新刊情報
『深い河』創作日記
発売日:2016年05月11日
遠藤周作最期の、純文学書き下ろし長篇小説は、病魔と闘いながら、魂と体力のすべてをかけて書かれた。 『深い河』は遠藤周作の思考の行き着く果ての神についての、ひとつの結論であった。 構想から執筆までの苦悩。壮絶な日々。 書くこととは、神とは、を身をもって証明した著者の死後に発見された、感動の記録。