
アサッテの人
アサッテノヒト
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村上龍以来、約30年ぶりの快挙! 第50回群像新人賞、第137回芥川賞をダブル受賞した小説「アサッテの人」が刊行となりました。 群像新人賞では選考委員各氏が絶賛し、芥川賞では、小川洋子氏、川上弘美氏、黒井千次氏ほかの支持を得ての受賞となりました。 下記に各氏の選評を紹介します。 *一度読んで楽しむだけでなく、繰り返しめくれば、あちこちに新しい発見がある(中略)個々のエピソードが光っていて、音に身を寄せた精密な言葉送りに頭の中がからからと明るくなった。 -多和田葉子氏- *文章や構成に緊張感がありとにかく面白く読める。 -藤野千夜氏- *「アサッテ」的リズムが、なんともいえない滑稽さともの悲しさを醸し出している。 -堀江敏幸氏- *ノンセンスの馬鹿馬鹿しさと高度に知的な設計とを破綻なく共存させた力業だ。 -松浦寿輝氏- *きわめて意識的な言葉へのこだわりをもとに書かれている。そのこだわりには、一度身体ごとそれにもっていかれた人ならではの自然さがある。 -加藤典洋氏- ●本の内容 「ポンパ!」 突如失踪してしまった叔父が発する奇声! アパートに残された、叔父の荷物を引き取りに行った主人公は、そこで叔父の残した日記を見つける。 現代において小説を書く試みとは何なのか? その創作の根源にある問いに、自身の言葉を武器に格闘し、練り上げられていく言葉の運動。精緻にはり巡らされた構造と、小説としての言葉の手触りを同居させた、著者の大胆な試み。 読書家としても知られる各氏をうならせた、驚異の才能のデビュー作!
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アサッテの人
発売日:2010年07月15日
第137回芥川賞 第50回群像新人文学賞 W受賞! 選考委員各氏激賞! 村上龍氏以来、30年ぶりの快挙! 驚異の新人出現! 吃音(きつおん)による疎外感から凡庸な言葉への嫌悪をつのらせ、孤独な風狂の末に行方をくらました若き叔父。彼にとって真に生きるとは「アサッテ」を生きることだった。世の通念から身をかわし続けた叔父の「哲学的奇行」の謎を解き明かすため、「私」は小説の筆を執るが……。 1度読んで楽しむだけでなく、繰り返しめくれば、あちこちに新しい発見がある(中略)個々のエピソードが光っていて、音に身を寄せた精密な言葉送りに頭の中がからからと明るくなった。――多和田葉子氏 日常の文脈を脱臼させる奇声をあげずにいられない「叔父」の、喜劇的にして悲劇的な生の感触が、そこには鮮烈に描出されている。――松浦寿輝氏 ――<群像新人文学賞選評より>