えんじ色心中
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えんじ色心中

エンジイロシンジュウ

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――君のこと忘れたこと、なかったよ、これから先も、100歳になっても。 16年前に起きた『西池袋事件』。被害者は受験戦争を潜り抜けて超難関校に合格した中学生。加害者はその父だった……。歳月を超え、繰り返された悲劇と『西池袋事件』をつなぐものとは? あのときからずっと、僕は遺書を書きつづけているんだ。 人は、どうして生きるの。どうして、死んではいけないの。どうして、殺してはいけないの。生きる意味って。死ぬ意味って。殺す意味って。 君は、そういって、あの年代特有の勝気な視線で、僕を挑発した。「生きる意味」。それさえ口にすれば、すべての大人が口ごもる。「死ぬ意味」。それをいえば、世間を負かした気になれる。「殺す意味」。それを問えば、完全に君たちの勝利だ。――<本文より>

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えんじ色心中
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えんじ色心中

発売日:2014年09月12日

ライターの収入だけでは満足な生活を送れない久保は派遣会社から紹介された職場で働き、糊口を凌いでいた。マニュアル作成の仕事を受けた久保だが、納期に追われて派遣の仕事との両立が難しくなる。折しも16年前の殺人事件が再注目される時、窮地に陥った久保の脳裡にあの光景が重なる。かつてない閉塞感を最大圧縮した凄絶作品!

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