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おかしな二人
オカシナフタリ
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人と人の出会い。人と人の別れ。二人が出会ったとき、著者21歳。徳さん28歳。そして18年後、二人は別れた。 ミステリー合作コンビ誕生と消滅の記録。 岡嶋二人というのは、僕にとって故郷のようなものだ。なにもかもが、そこから始まった。そこは僕の遊び場だったし、学校でもあった。職能訓練所だったし、強制収容所みたいな場所でもあった。僕はそこでミステリーについて学び、話の組み立て方を覚えた。面白い話と面白くない話は、どこで違ってくるのかを知った。小説にとって、何が必要で、何が不必要なのかを教えられた。 だから、今、僕がまがりなりにも小説を書く側の人間としてワープロの前に座っていられるのは、なにもかも岡嶋二人から与えられたものなのだ。もし、過去のあの日、徳山諄一という男と出会っていなければ、僕の人生はまったく違ったものになっていただろう。それは僕だけじゃなくて、たぶん、彼にとっても。――(本文より)