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おねだり女房
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今日もまた、駈込女がやって来る。和三郎、合点、御用を仕(つかまつ)る。 縁切り寺・鎌倉東慶寺門前の餠平父子が探る人の世の不実と不幸。 時代小説に新風を吹き込む新雑誌「KENZAN!」から生まれた異色捕り物作品集!! ●助六小僧 「あの女子、いかなる不幸を抱えているのか……」市助と和三郎は、夜道を黙々と歩く女を偶然、目にした。 ●おねだり女房 「お父つぁん。男の駈込みを見たのは、はじめてですね」おねだり女房しま、8度目の駈込みの顛末。 ●長命水と桜餠 とよは14里近い道のりを、一昼夜と半日をかけて休まず歩きつづけた。30両のために、裏店に戻るわけにはいかないのだった。 ●雨の離れ山 安堵のために気を失ったのか、濃い雨の匂いの中、倒れかかってきた女を抱きとめた和三郎は、一瞬、女から、べつの匂いが立ち昇ったのに気づいた。