さざなみ
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さざなみ

サザナミ

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世界は波でできている 次々に難題を出す謎の女主人。執事となった借金男が思いついた、波紋とシマウマと世界征服が一度に見える奇案が生む不測の結末 「百歩譲って<幸福の手紙>が善と悪を両立させた存在でないとしても、これをヒントに、これから私たちがやろうとしているネズミ講をそのようなものにすることは可能だと思います。つまり、善そのものを、悪であるネズミ講のしくみのなかで広げていくようにするのです」絹子さんの顔がぱーっと輝いた。俺は勝利を確信した。「それって、とってもおもしろそう。で、具体的には、どうやるの」――<本文より>

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さざなみ
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さざなみ

発売日:2011年02月15日

絹子さんと俺がこっそり仕掛けた<小さな親切>の波紋の行方。ちょっとミステリアスで、心がほっこりする長編小説ーー三つ揃いを着て、雇主を「貴人」と思うこと……。借金まみれで自己破産寸前に追い込まれた「俺」は、住み込みの執事として雇われることに。賄いとガードマンと秘書にかしずかれて、銀杏(いちょう)屋敷に住まう謎の若き女主人・絹子さんの、無理難題に応えようとして、思いついた「波紋のチンギスハンのシマウマ作戦」の反響は? ◎(沢村さんの作品の)登場人物の多くは本作の「奥山史嗣」のように品行方正なほうなのに、「罪(黒)」に分類されるような行動もとってしまう。人間は、善悪の両方をあわせ持つものだから。共感できる心象風景と、人物の背景に広がるリアルな世界を、沢村さんは、興趣に富んだミステリー仕立てで書いている。本作ではなんと、「波」を小説にした。――<青木千恵「解説」より>

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