だれの息子でもない
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だれの息子でもない

ダレノムスコデモナイ

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高校生のころに父は死んだ。母とぼくを捨てて出奔し、祖父の田畑を勝手に売り払った親父を、憎まずにはいられなかった。――あれから十数年、ぼくは安曇平市役所に就職し、電算課電子文書係として働いている。故人となった市民の、ネット内の化身人格(アバター)を消去することが主な業務だ。ある日、ぼくの目の前に現れたのは、ネット内で育った親父の人工化身だった。 高校生のころに父は死んだ。母とぼくを捨てて出奔し、 祖父の田畑を勝手に売り払った親父を、 憎まずにはいられなかった。 ――あれから十数年、ぼくは安曇平市役所に就職し、 電算課電子文書係として働いている。 故人となった市民の、ネット内の化身人格(アバター)を消去することが主な業務だ。 ある日、ぼくの目の前に現れたのは、ネット内で育った親父の人工化身(アバター)だった。

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だれの息子でもない
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だれの息子でもない

発売日:2017年05月16日

二〇二八年市民皆武装立国法により各家庭には携帯型対空ミサイルが配備。その保守システム管理と故人となった市民のネット内人工人格を消去することが安曇平市役所電算課で働くぼくの仕事だ。家族を捨て出奔した父が孤独死して十数年。ぼくの目の前に現れたのは死んだはずの親父のアバター=ネットファントムだった。 高校生のころに、父が死んだ。祖父の田畑を勝手に売り払い、母とぼくを捨てて出奔した親父を、憎まずにはいられなかった。―あれから十数年。日本には、各家庭に一台、携帯型対空ミサイル(略称:オーデン改)が配備されている。安曇平市役所の電算課電子文書係で働くぼくの仕事は、故人となった市民の、ネット内の人工人格=アバターを消去することだ。しかしある日、ぼくの目の前に、死んだはずの親父の人工人格が現れた―。

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