チェーン・ポイズン
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チェーン・ポイズン

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●講談社創業100周年記念出版 「書き下ろし100冊」第1弾! あと1年。死ぬ日を待ち続ける。 それだけが私の希望――。 かりそめに生きることは、もうできない。選んだのは「死」。 不思議な自殺の連鎖を調べる記者。そこに至るただひとつの繋がり。 「生」の意味を現代に投げかける、文句なしの最高傑作! 誰にも求められず、愛されず、歯車以下の会社での日々。 簡単に想像できる定年までの生活は、絶望的な未来そのものだった。 死への憧れを募らせる孤独な女性にかけられた、 謎の人物からのささやき。 「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか? 1年頑張ったご褒美を差し上げます」 それは決して悪い取り引きではないように思われた――。 ●新境地を開いた驚愕のミステリー 【著者からのメッセージ】 講談社100周年、おめでとさんです、ということで気張ったつもりはないのですが、この『チェーン・ポイズン』は、自分が今まで書いてきたものと比べると、かなり成り立ちを異にしました。 もともと、僕は何も考えずに小説を書き始めます。それがどんなものになるのかはもちろん、書き上がるのかどうかさえ、本人にもわからない。それがいつもの僕のやり方です。実際、僕のパソコンには、書き上げられることのなかった小説の端くれたちが、山のように積もっています。とはいえ、今まで小説を書き上げる際には、ある共通点がありました。それはいかにして「自分らしさ」を消していくのかということです。もちろん、それを書いた人間が同じである以上、そこにはどうしても「その人らしさ」が匂います。僕の場合、それがかなり強く匂うほうの書き手だと思います。ですので、その匂いを放っておくと、読者に既視感を与えてしまう。その危惧が常にあります。自分の枠からはみ出すことは難しくとも、それでもどうやってその匂いを消していけるか。読んでくれた人に「新作」を読んだ、という満足感をどれだけ感じてもらうことができるか。それがこれまで小説を書いていく上で、一つのテーマでもありました。 ですが、この『チェーン・ポイズン』に関しては、書き始めた当初から、これまでと違う匂いがありました。今までの自分とは違う何かが出てきている

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チェーン・ポイズン <新装版>
最新刊情報

チェーン・ポイズン <新装版>

発売日:2021年01月15日

「その自殺、一年待ちませんか?」 平凡な日々を送り、生きる意味を見いだせずに死を決意したOLは、「死のセールスマン」からある取り引きを持ちかけられた。 人気絶頂のバイオリニスト、陰惨な事件の被害者家族、三十代のOL。三つの自殺に不思議な関連性を見出した週刊誌記者・原田は、彼らの死の謎を追う。「それなりの人生」はつまらないのか。人が生きる意味を問いかける、驚きと感動のミステリー。

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