どうで死ぬ身の一踊り
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どうで死ぬ身の一踊り

ドウデシヌミノヒトオドリ

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第134回芥川賞候補作品。 話題沸騰・衝撃の文学! 久世光彦氏評(「週刊新潮」05年9月22日号) 西村賢太という人の「どうで死ぬ身の一踊り」という小説を読んだ。凄い小説だった。私の体の揺れが止まらないのは、この小説の後遺症もあるのかもしれない。……貧困に喘ぎ、同棲している女に暴力を揮(ふる)い、愛想を尽かした女が逃げ出すと、その前に土下座して涙を零(こぼ)して復縁を哀願する――西村のその姿は「根津権現裏」の藤澤清造に瓜二つである。つまり、西村は<現代>の実人生で、藤澤と同一化しようとしているとしか思えない。西村の文学は、身も世もなく悶える文学であり、その魂の姿勢は、いまは忘れ去られた<文芸の核>なのではないかと思われる。……何はともあれ、欺されたと思って読んでもらいたい。あまりに暗くて、惨めで、だから可笑しくて、稲光が目の前に閃く。

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どうで死ぬ身の一踊り
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どうで死ぬ身の一踊り

発売日:2009年01月15日

こんなくだらない男でも生きている 平成の世にいきなり出現した衝撃の私小説! 大正時代に極貧の生活を赤裸々に描いた長篇小説『根津權現裏』が賞賛されながら、無頼ゆえに非業の死を遂げた藤澤清造。その生き方に相通じるものを感じ、歿後弟子を名乗って全集刊行を心に誓いつつ、一緒に暮らす女に暴力を振るう男の、捨て身とひらき直りの日々。平成の世に突如現れた純粋無垢の私小説。

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