ドストエフスキー
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山城むつみ ドストエフスキー

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ドストエフスキー世界の主人公たちの不同意が生み出す異和(ラズノグラーシエ)を切り口に、衝撃の文学の源泉に迫る! ドストエフスキー論の新たな金字塔! 文学史上最大の衝撃、ドストエフスキーとは何なのか? 気鋭の批評家が切りひらくドストエフスキー論の新たな地平。 ドストエフスキーの、いわゆる地下室的主人公たちは、ことさらに他者に対して天の邪鬼に反対し不同意を突きつけているように見える。しかし、彼らは、ほんとうは他者の言葉に強く引かれそれに自分の声を合わせたいのだ。ただ、それに声を合わせようとしてどうしても合わせることができないとき、協和と同意の合致点からのその微小なズレには激しい斥力を持つ異和が生じる。それは反論や不同意が産み出す反撥と似て全く非なるものだ。のみならず、そのような反撥よりもはるかに強烈な不協和、憤激を呼び起こすのである。本書は、そのような異和を、反論と不同意から生じる反撥と区別して「ラズノグラーシエ」と呼び、この強い斥力こそがドストエフスキーの世界の主な動力になっていると考えている。――<「まえがき」より> 第65回毎日出版文化賞[文学・芸術部門]受賞。

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ドストエフスキー
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ドストエフスキー

発売日:2015年12月11日

同じ言葉でも誰がどんな状況で語るかで、その意味は異なり、ときに正反対に受け取れる。このラズノグラーシエ=異和こそがドストエフスーを読む鍵となる。登場人物は対話の中で絶えず異和と不協和に晒され、そのダイナミズムが読む者を強烈に惹きつけるのだ。批評家バフチンを起点に、しかし著者単独で小説内部に分け入り、文学的核心を精緻に照射する。ドストエフスキー論史の転換点を成す衝撃的論考。

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