
ひどい感じ 父・井上光晴
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大嘘吐きだった父へ、愛をこめて。 娘が描く小説家の実像。 瀬戸内寂聴氏絶賛 「今、小説家荒野さんが小説家井上光晴の人間の魅力のすべてをここに書きあげた。エッセイというよりわたしは秀れた小説として読んでしまった。それほど面白く、息もつがせない。」 作家としても、人間としても、男としても、実にユニークで魅力的な個性の持主であった井上光晴氏が逝き、早くも10年の歳月が過ぎ去った。 井上さんは硬派の純文学作家としては異例なほど夥しい作品を遺した。それらの小説の他に井上荒野という女性の作家を遺した。これも井上さんの貴重な作品である。 荒野さんもまた父に劣らずユニークな小説家になった。今、小説家荒野さんが小説家井上光晴の人間の魅力のすべてをここに書きあげた。 エッセイというより私は秀れた小説として読んでしまった。それほど面白く、息もつがせない。書かれた人物の奇想天外の愉快さであり、それをまるで名外科医のように冷静かつ、細心にメスを入れ、腑分けしていく荒野さんの腕の冴えに驚嘆し、興奮させられたからである。この本を誰よりも熱心に読み、「サイコー」と両手を挙げて祝し、グイと、ウィスキーをあおる井上さんの顔が目に浮ぶ。――(瀬戸内寂聴)
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ひどい感じ──父・井上光晴
発売日:2005年10月14日
没後十数年たっても愛され続ける作家・井上光晴。その生涯は多くの謎に包まれていた。旅順生まれ、炭鉱での労働経験、それらはすべて嘘だった。何事もドラマチックに仕立てなければならない、「全身小説家」井上光晴の素顔とは? そして、ガン闘病の真実。小説家・井上荒野が父の魅力のすべてを書きあげる。 娘も知らなかった 父が生涯隠した「過去」 没後10数年たっても愛され続ける作家・井上光晴。その生涯は多くの謎に包まれていた。旅順生まれ、炭鉱での労働経験、それらはすべて嘘だった。何事もドラマチックに仕立てなければならない、「全身小説家」井上光晴の素顔とは? そして、ガン闘病の真実。小説家・井上荒野が父の魅力のすべてを書きあげる。