
一所懸命
イッショケンメイ
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まずはあったかい飯をたらふく食う。守り、生き抜き、生き残る。 『難儀でござる』の著者が描く 戦国の世を静かに暮らすために戦った人々の姿。 <収録作品> ●「一所懸命」 「わしは生き残るぞ。そして、土と百姓を相手に静かに暮らしていきたい」――それだけが右京亮の望みだった。小説現代新人賞受賞作。 ●「渡れない川」 葦の茂みの中で、兵は孤立していた。なんでこんなところにいるのや。七郎は、落ち込んで行く気持ちをもてあましていた。 ●「魚棚小町の婿」 また合戦が始まる。荷運び人足3人をだせとの下知が届いた。役のオトナ・仁右衛門には頭が痛い毎日が続く。 ●「八風越え」 田仕事がようやく終わった又二郎と五郎三郎は、一生、納屋暮らし、部屋住みの身からはい上がるため、一か八か、戦火をかいくぐっての商売を思いついた。 ●「わからんやつ」 とても有徳人の住むところではない町場の、となりに越してきたのは、烏帽子をつけた中年男と、市女笠の女房らしい女。ふたりの子供も上等の小袖を着ていた。しかも、先の中納言などと言っている……。 ●「一陽来復」 一族郎党を負け戦に導くわけにはいかない。だから、右京亮は斎藤義龍に味方した。それ以来、家の中の空気は、あきらかに別のものになっていた。
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一所懸命
発売日:2012年02月15日
“領地を治め米の収穫を増やし家庭を守っていたいのに配下を連れて出陣しなければならぬとは”“戦乱を利用すれば琵琶湖の魚を高値で売りさばく絶好の機会が”“紙商人になりすまし掟破りの交易で荒稼ぎ”――たとえ戦に巻き込まれても、よりよい暮らしを求めて必死にしぶとく生き抜く人々を描いた傑作戦国短編集。(講談社文庫) 戦国に暮らすのは大変だ。 乱世には、乱世の生き方がある。 “領地を治め米の収穫を増やし家庭を守っていたいのに配下を連れて出陣しなければならぬとは”“戦乱を利用すれば琵琶湖の魚を高値で売りさばく絶好の機会が”“紙商人になりすまし掟破りの交易で荒稼ぎ”――たとえ戦に巻き込まれても、よりよい暮らしを求めて必死にしぶとく生き抜く人々を描いた傑作戦国短編集。 ●魚棚小町の婿 ●八風越え ●一所懸命 ●渡れない川 ●一陽来復 ●となりのお公家さん