永遠。
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永遠。

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内山理名 初主演映画「卒業」のサイド・ストーリー 小説と映画の出会いによって、かつてないコラボレーションが実現。 スクリーンでは語られなかった人々の胸のうちを、こまやかに綴る「もうひとつの物語」。

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永遠。
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永遠。

発売日:2006年10月13日

生きることに無器用なひとなのね、それが私にはいとしかった――葉月さんは亡くなる前、娘の弥生と幼なじみの僕に話してくれた。かつて別れた恋人のことを。弥生はその男の向かいの部屋に住み、彼の講義を聴きに短大に通った。「お父さん」と、一度も告げられずに。卒業式の日、僕は弥生の帰りを待つ――。(講談社文庫) 別れるしかなかった。ふたたび逢うこともなかった。 言葉にすると、想いはこぼれおちてしまう。 いつまでも心にのこる青春小説。 生きることに無器用なひとなのね、それが私にはいとしかった――葉月さんは亡くなる前、娘の弥生と幼なじみの僕に話してくれた。かつて別れた恋人のことを。弥生はその男の向かいの部屋に住み、彼の講義を聴きに短大に通った。「お父さん」と、一度も告げられずに。卒業式の日、僕は弥生の帰りを待つ――。 その時ねえ。私、初めてあのひとがわかった気がした。何にも言わないから鈍いみたいに見えるけど、本当は逆なんだ。思ったことをなかなか口にしてくれないのは、言葉にするとこぼれてしまうものがたくさんあるってことを、よく知っているからなんだな、ってね。ねえ、弥生。あんたもこの先、誰かを好きになるかもしれない。そういう時に、その恋がほんものかどうか、見分ける方法がひとつあるよ。――<本文より>

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