王昭君
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王昭君

オウシヨウクン

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辺塞(へんさい)の風、数奇な美女の運命。 漢の後宮から匈奴(きょうど)の王に嫁した伝説的美女。比類のない生命の輝きを鮮やかに描く傑作! 黄濁した江の流れを、物心ついたときから眺めて育った。江水の岸に生えた葦の葉をそよがせ水草が風の揺れるさま、日に何度も水上を行き来する小舟の列を、飽かずに眺めた。少女は常々、自分を、生まれる場所を間違えた渡鳥の子だと考えた。葦野原の中で羽を休める日はあっても、長く1つ処(ところ)にとどまることはできない。空の闊(ひろ)さを恐れもせず、悠々と羽ばたいてゆく鳥になって、いつかはこの狭い、窮屈な場所から逃げ出したいと思っていた。淀むように静かな江の水音を聞きながら、少女はいつも、広いところへ行きたいと願った。やがて、少女の夢がかなう時が来た。──(本文から)

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王昭君
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王昭君

発売日:2000年11月15日

長城の向こうに広がる愛。匈奴(きょうど)の王に嫁した伝説の美女が、苛酷な運命に挑んだ生涯を描く傑作。数奇な美女の運命は? ーー長城の向こうには、どんな世界がひらけているのだろう? 前漢の末、たった1枚の似顔絵ゆえに、匈奴の王へと嫁した王昭君。薄幸の佳人として描かれてきた人物は、数奇な運命に立ちむかった女性だった。遊牧民と農耕民の架け橋となり、西域の地に愛と夢を育んだ一生を、清新な解釈で描きだした中国歴史ロマン。

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