
海の向こうで戦争が始まる
ウミノムコウデセンソウガハジマル
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きらめく夏の海の彼方、祭りの喧噪と凄惨な殺戮。悪夢の如き情景をとらえる鮮烈豊饒なイメージの躍動。『限りなく透明に近いブルー』から1年、新たな衝撃を秘める待望の長篇第1作。 読者へのメッセージ 風呂場のタイルに絡み合って貼り付いている女の髪の毛、それが青い地球の末梢神経だ。戦争はすでに始まっている。我々の頭の中にビジョンとしてではなく、宮殿として空に浮いているものでもない。戦争は、海の向こうで、また我々の目の裏側で確実に始まっているのだ。それは近代戦争しか体験のない我々の親達の想像力を越えている。僕は戦争を見た。意味を考えるのは見た後でいい。僕の見た戦争をあなた方に語りたかった。
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海の向こうで戦争が始まる
発売日:1980年11月12日
海辺で出会った水着の女は、僕にこう言った。あなたの目に町が映っているわ。その町はゴミに埋もれ、基地をもち、少年たちをたくましく育てる町、そして祭りに沸く町。夏の蜃気楼のような心象風景の裏に貼りつく酷薄の真実を、ゆたかな感性と詩情でとらえた力作。『限りなく透明に近いブルー』に続く作品。