決壊

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ケッカイ

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漂流する人々の心のわだかまり 優しさを押し売りする若者を痛烈に批判する中年のディスク・ジョッキイ、テディ・ベア(「金魚鉢の囚人」)、雨もよいの逗子のリゾート・ホテルを舞台に、抑制のきいた文章で綴る鬱屈した人々の一夜(「ビートルズの優しい夜」)、1960年代から80年代の<現実>を描き、漂うように生きる主人公たちの心に蟠(わだかま)っている信じきれぬものを抽出。ほかに表題作、「息をひそめて」、「パーティー」の傑作5篇。 小林信彦 「決壊」はとても愛着のある微妙な作品なので、今まで文庫に入れなかった。(略)「決壊」を今まで文庫に入れなかったのは、私小説というよりも、もっと私的ななにかを、他人の目に触れないところに隠しておきたかったからである。そうだとすると、活字にして発表することと矛盾するのだが、こうしたすれすれの作業が好きなのであり、なかなかやめられない。小説を書くという作業が、本来は、そういうものである気もする。――<「著者から読者へ」より>

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決壊
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決壊

発売日:2006年10月12日

漂流する人々の心のわだかまり 優しさを押し売りする若者を痛烈に批判する中年のディスク・ジョッキイ、テディ・ベア(「金魚鉢の囚人」)、雨もよいの逗子のリゾート・ホテルを舞台に、抑制のきいた文章で綴る鬱屈した人々の一夜(「ビートルズの優しい夜」)、1960年代から80年代の<現実>を描き、漂うように生きる主人公たちの心に蟠(わだかま)っている信じきれぬものを抽出。ほかに表題作、「息をひそめて」、「パーティー」の傑作5篇。 小林信彦 「決壊」はとても愛着のある微妙な作品なので、今まで文庫に入れなかった。(略)「決壊」を今まで文庫に入れなかったのは、私小説というよりも、もっと私的ななにかを、他人の目に触れないところに隠しておきたかったからである。そうだとすると、活字にして発表することと矛盾するのだが、こうしたすれすれの作業が好きなのであり、なかなかやめられない。小説を書くという作業が、本来は、そういうものである気もする。――<「著者から読者へ」より>

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