元末群像異史 紅嵐記(上)
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元末群像異史 紅嵐記

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フビライ・ハーンの近衛兵を祖父にもつバヤン家のサカルは、騎馬にも狩りにも興味がない。料理人を志して出奔した彼は、荒くれ者だが人を惹きつける青年、張士誠(ちょうしせい)と出会う。その時代、皇帝を凌ぐ権力者バヤンは漢人を徹底的に弾圧し、危うい空気が世を覆っていた……。動乱期の元末を舞台に描く長編歴史小説。 元朝末期、動乱の時代が幕を開ける 誇り高き蒼狼の裔(えい)サカルは旅立つ料理人を夢見て―― 中国歴史長編小説 フビライ・ハーンの近衛兵を祖父にもつバヤン家のサカルは、騎馬にも狩りにも興味がない。料理人を志して出奔した彼は、荒くれ者だが人を惹きつける青年、張士誠(ちょうしせい)と出会う。その時代、皇帝を凌ぐ権力者バヤンは漢人を徹底的に弾圧し、危うい空気が世を覆っていた……。動乱期の元末を舞台に描く長編歴史小説。 蒼狼の裔/夏の都/急変/酔蟹/叛乱前夜 自ら調理したものをひと口食べた瞬間、サカルは感動のあまり涙した。(中略)この世には、もっともっと美味しいものがある。ならば、この世の食を、極めたい。美味しいものを、極め尽くしたい。我が手でそういうものを作り出したい。ほんの数日前までは絵空事の幻にすぎなかった夢が、にわかに具体性をもってサカルの前に現れた。――<本文より> ※本書は文庫化にあたり上中下巻の3分冊に再構成した上巻です

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元末群像異史 紅嵐記(中)
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元末群像異史 紅嵐記(中)

発売日:2010年06月15日

権勢を誇ったバヤンが失脚、漢文化に理解を示すトクトが丞相を継いだが、なお諸方叛乱の火種は止まない。その頃江南では、方国珍(ほうこくちん)と張士誠(ちょうしせい)の両雄が海上の覇権を二分していた。張家との接触を探る方家が差し向けた男は、大都でひとりの少年の命を救う。彼はやがて紅巾の乱に身を投じ、数奇な運命を辿り始める。 混迷は加速し諸方で群雄が萌芽する。 紅巾(こうきん)の乱に身を投じた名もなき男はやがて明の太祖となる。 中国歴史長編小説。 権勢を誇ったバヤンが失脚、漢文化に理解を示すトクトが丞相を継いだが、なお諸方叛乱の火種は止まない。その頃江南では、方国珍(ほうこくちん)と張士誠(ちょうしせい)の両雄が海上の覇権を二分していた。張家との接触を探る方家が差し向けた男は、大都でひとりの少年の命を救う。彼はやがて紅巾の乱に身を投じ、数奇な運命を辿り始める。 海上の王/カンバリク/芍薬/白蓮教/怒濤 生まれてはじめて、自分の為すべきことを得た。たとえるならば、そんな感じだろうか。人は一体なんのために生まれ、なんのために生きるのか。この数年、いつも頭の片隅に盤踞していた疑問の答えが、或いは、これなのだろうか。そう思うと、不思議と怖じる心はおこらなかった。(中略)星1つ瞬かない闇夜というのに、重八の心は何故か晴れやかだった。――<本文より> ※本書は文庫化にあたり上中下巻の3分冊に再構成した中巻です。

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