死の谷’95
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死の谷’95

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暴力と死。その気配はエロスの霧となり意識を微睡みへ誘う。逃亡した獣だけが辿り着く場所、水底深く、暗闇の先に――。闇の中でシャーマンは、拒まれた者たちの歌を奏でる。生物の存在すらをも許さない、「死の谷」のほとりで。 喪失と孤独、その先の希望。人、絆の物語。 青山真治の新境地。「人の願い」その究極の姿を描き出した傑作長編小説。 「仮に次郎としておこう。次郎は何もしていない。少なくともいまは。」ある日、次郎のもとを兄が訪ねる。ある時期から疎遠になってしまった男。兄は、自分の妻の浮気調査を次郎に依頼する――。嫂(あによめ)の後ろ姿を追いながら、次郎はやがてその死へと誘われてゆく。黒々とうねる東京湾。そのほとりに暮らす者たちの喪失と孤独、そして愛。青山真治が切り開いた、新たなる小説のかたち「願いの物語」。

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死の谷’95
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死の谷’95

発売日:2009年02月13日

折り合いの悪かった兄・一郎が突然、次郎を訪ねてくる。用件は妻の浮気調査。金に困っていた次郎は気楽に引き受けるが、尾行した嫂(あによめ)は霧の太平洋に入水自殺した……。10年後、探偵となった次郎は同じ頃に失踪した女を捜して苦い記憶の地へ。そして東京湾を挟んだ悲しい運命の糸が――。著者初のサスペンス長篇。

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