
電子あり
耳すます部屋
ミミスマスヘヤ
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わたしのあの子に何をしたの?執拗な電話が女を追いつめる。 叙述ミステリの名手、10年の軌跡、10の短篇。 収録作品より 五重像──医師は眼鏡のフレームに手をやり、ベッドに横たわる彼女の顔をのぞきこむ。そうして、夢は始まるのだ。 のぞいた顔──房子の話してくれたのは、よくある学校の怪談の1つに他ならない。私もその類の話を生徒、あるいは同僚から何度か聞かされたことがあった。 肝だめし──白色仮面には、死ぬほど驚かされた。暗い墓場の間から、いきなり姿を現したおぞましい仮面の男は、津野光男を恐怖で打ちのめしたのである。 Mの犯罪──裕子は、彼女にいたずらをした男はMではないような気がしていた。確かに同じような髪型をしていたが、どこか違うような……。 鬼──百物語が終わると、たいへんなことが起こるというのは怪談本のネタだが、もちろんそんなことを敏樹は信じていなかった。 ほか5編