深い河
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深い河

ディープリバーフカイカワ

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第35回毎日芸術賞受賞。それぞれが愛を求めてそれぞれが人生の意味を求めて母なる河にたたずむ刻(とき)。『沈黙』をしのぐ7年ぶりの純文学書下ろし長編小説。 1人ぽっちになった今、磯辺は生活と人生とが根本的に違うことがやっとわかってきた。そして自分には生活のために交わった他人は多かったが、人生のなかで本当にふれあった人間はたった2人 母親と妻しかいなかったことを認めざるをえなかった。「お前」と彼はふたたび河に呼びかけた。「どこ行った」河は彼の叫びを受けとめたまま黙々と流れていく。だがその銀色の沈黙には、ある力があった。河は今日まであまたの人間の死を包みながら、それを次の世に運んだように 川原の岩に腰かけた男の人生の声も運んでいった。――本文より

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深い河 新装版
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深い河 新装版

発売日:2021年05月14日

喪失感をそれぞれに抱え、インドへの旅をともにする人々。生と死、善と悪が共存する混沌とした世界で、生きるもののすべてを受け止め包み込み、母なる河ガンジスは流れていく。本当の愛。それぞれの信じる神。生きること、生かされていることの意味。読む者の心に深く問いかける、第35回毎日芸術賞受賞作。 人は皆、それぞれの辛さを背負い、生きる。 そのすべてを包み込み、母なる河は流れていく。 死生観、宗教観に問いかける名著 本当の愛、生きることの意味を問う、遠藤文学の集大成!

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