
星が吸う水
ホシガスウミズ
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私と、性行為ではない肉体関係を、してみませんか? 精神は肉体をもてあまし、潤うことも充足することも叶わない。「男と女」、「女と女」が対をなす双作小説。 [野間文芸新人賞]受賞第1作 友人として付き合っているうちは気付かなかったが、どうやら男はとてもロマンチストなようだった。鶴子はそういう男を性欲の捌け口にしてしまったことを反省していた。男に対して勃起したのではなく、勃起していたから、男の肉体を使ったのだ。――<「星が吸う水」本文より> 結真は瑞々しい美紀子の声を思い返しながら耳たぶに触れた。性的じゃない肉体関係か、と心の中で呟くと、指で耳を弾いて小さく微笑んだ。――<「ガマズミ航海」本文より>
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星が吸う水
発売日:2013年02月15日
恋愛ではない場所で、この飢餓感を冷静に処理することができたらいいのに。「本当のセックス」ができない結真と彼氏と別れられない美紀子。二人は「性行為じゃない肉体関係」を求めていた。誰でもいいから体温を咥(くわ)えたいって気持ちは、恋じゃない。言葉の意味を、一度だけ崩壊させてみたい。表題作他一篇。(講談社文庫) 性行為には、本物と偽物がある。 人肌を求めるだけなら、それは、恋じゃない。 恋愛ではない場所で、この飢餓感を冷静に処理することができたらいいのに。「本当のセックス」ができない結真と彼氏と別れられない美紀子。二人は「性行為じゃない肉体関係」を求めていた。誰でもいいから体温を咥(くわ)えたいって気持ちは、恋じゃない。言葉の意味を、一度だけ崩壊させてみたい。 表題作他一篇。 ●星が吸う水 ●ガマズミ航海