日月めぐる
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日月めぐる

ニチゲツメグル

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美しき渦に巻き込まれた男女の行方―― 「だったら、ずっとここにいたらいいのに」 江戸末期、駿河の小藩に流れゆく時、川、そして人。名手が丹念に紡いだ珠玉の7篇。 「ほんとうに、吸い込まれてしまいそうだ。両側に迫った山のせいで狭まった流れを、ごつごつした岩がなおもさえぎろうとしている。さえぎられてたまるかと、川の水は怒ったように飛沫を噴き上げ、ぬれそぼった黒い岩に挑みかかる。けれど、いがみ合っているだけではなかった。ここには調和があった。薄青と紺と藍と紫苑と群青と縹色と裏葉色と御納戸色と浅葱色と、そしてかがやく紺碧……水にかかわるありとあらゆる色の濃淡が、きらめく陽光と溶け合って、渦という摩訶不思議な世界を創り出している。」――<本文より>

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日月めぐる
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日月めぐる

発売日:2011年03月15日

江戸末期、駿河(するが)の小藩。その岩場からは、美しくも怪しい紺碧(こんぺき)の渦が川面(かわも)に見えた。流れゆく時と川と人。男女は渦に巻き込まれるように人生を移ろわせ、時に後悔し、時に鬱屈を抱え、あるいは平凡でも底光りするような日常を過ごし、いつしか果てていく。それもあり、これもあり。しみじみと美しい7つの物語。(講談社文庫) 吸い込まれそうに美しい紺碧の渦と、わけもなく巻き込まれた男女の行方。 悲哀も、悔恨も、鬱屈さえも、月日はめぐり、いつしか流されてゆく。 江戸末期、駿河(するが)の小藩。その岩場からは、美しくも怪しい紺碧(こんぺき)の渦が川面(かわも)に見えた。流れゆく時と川と人。男女は渦に巻き込まれるように人生を移ろわせ、時に後悔し、時に鬱屈を抱え、あるいは平凡でも底光りするような日常を過ごし、いつしか果てていく。それもあり、これもあり。しみじみと美しい7つの物語。 おようさんは、あの、渦に、巻き込まれてるんじゃねえかとふっと思ったんだ。 できるなら、つまりその、おいらに引き上げられねえかと……――<本文より>

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