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馬琴の嫁
バキンノヨメ
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あなたの苦労は世のためになるものだ。きっと大きく報われるときがくる。 滝沢馬琴のひとり息子と結婚した土岐村てつ。 優しそうに見えた夫は癇性持ちで、舅は何でも自分で仕切らないと気がすまない。 心の休まる日はないが、持ち前の明るさで乗り切れる!? 著者初めての時代小説 翌日、婚礼の気疲れでてつは朦朧としていた。そこへ馬琴から聞かされたのは、改名の話だった。縁戚にてつという名前の者がいてまぎらわしいので、土岐村の両親と相談して、「みち」とするというのである。「みちでございますか」これまでてつだったのが、急に今日からみちだといわれても、そうでございますかとしかいいようがない。――<本文より>