
白山の水 鏡花をめぐる
ハクサンノミズキョウカオメグル
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泉鏡花の華麗を極めた文学の内奥を通じ、物語の広野を渉猟する長編エッセイ! 幽明があらわれる。 エロティックな肌ざわりがあらわれる。 この世ならざるところの空気が、孕まれる。
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白山の水 鏡花をめぐる
発売日:2008年09月12日
著者少年期の金沢体験を出発点に、また、その後の土地の精霊を訪ねる旅での見聞をもとに、泉鏡花の作品世界を、地誌的・民俗学的に読み解いた長篇エッセイ。「川」「峠」「水神」「蛇」「化物」「白神」等のキー・タームから、鏡花作品の幻想性に入りこみ、その深奥にある北陸の山と水、それらを宰領する精霊たちのうごめきを感じとる。鏡花をめぐるセンチメンタル・ジャーニー、巡歴の記録。 幻想の深奥にうごめく地霊たち 著者少年期の金沢体験を出発点に、また、その後の土地の精霊を訪ねる旅での見聞をもとに、泉鏡花の作品世界を、地誌的・民俗学的に読み解いた長篇エッセイ。「川」「峠」「水神」「蛇」「化物」「白神」等のキー・タームから、鏡花作品の幻想性に入りこみ、その深奥にある北陸の山と水、それらを宰領する精霊たちのうごめきを感じとる。鏡花をめぐるセンチメンタル・ジャーニー、巡歴の記録。 日和聡子 本書の中心には地誌的な視座が据えられ、単なる作家論、作品論とは異なる相を見せる。泉鏡花の文学に通暁した著者による、つかずはなれず、絶妙な距離とバランスを保った泉鏡花論としての側面をもちながらも、著者自身の調査旅行をはじめとする紀行文や、自伝的回想をも基調とした、ときに小説のような表情も見せるものである。そして、ドイツ文学者であり日本神話の古層にも造詣の深い著者ならではの、比較文学の視点もふんだんに盛り込まれており、多岐にわたる多様な魅力と含蓄に富んだ、重厚な書物である。――<「解説」より>